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小児眼科

小児眼科

小児期に特有の眼の病気としては、弱視、斜視、逆さまつげ、先天性鼻涙管閉塞症、非器質性視力障害(心因性視力障害)などがあります。
多くの方が気になる、近視の進行については医院便りをご覧下さい。

Ⅰ.弱視

弱視とは、外から入った像を写す網膜や視神経、脳には異常が無いにも関わらず、視力の正常な発達がなされない状態をいいます。視力の発達は、生直後から8歳ぐらいまで続きますが、出来るだけ早期に発見し、治療をすることが必要です。
  • 1.原因と種類
  • A)斜視弱視 斜視(後述)が原因の場合
  • B)不同視弱視 不同視(左右の眼で屈折度数の差が大きい状態)が原因の場合
  • C)屈折異常弱視 高度の屈折異常(両眼の中等度以上の遠視、強い近視・乱視)が原因の場合
  • D)形態覚遮断弱視 先天白内障(生まれつきの水晶体の濁り)、角膜(黒目)の濁り、眼瞼下垂(まぶたが下がり物を見られない)、乳幼児期の眼帯使用などによる眼の刺激の遮断が原因の場合
  • 2.検査
  • 当院ではまず、眼位(眼の位置)をチェックした上で、年齢相応の視力の発達かどうかを、視力検査で確認し、弱視が疑われる場合には、48時間程度ピント合わせをする力を奪うお薬をつけ、屈折度数を確認いたします。
    判定には1時間ほどかかります。
    そのため、翌日に授業や塾がある日には難しく、金曜日であれば午後5時位までに、また、土曜日であれば午前11時位までに御来院願います。
    更に、より正確に屈折度数を調べる必要がある場合には、一週間ほどより強力にピント合わせをする力を奪うお薬をつけていただいた上で、屈折度数を確認いたします。
  • 3.治療
  • A)斜視弱視の場合
    遠視を矯正することで眼位が、正しい位置に戻る調節性内斜視では、検査で得られたデータの眼鏡を作成いただき入浴時、睡眠時、プールに入っているとき以外できるだけ装用いただき、外からの刺激を網膜に与え、視力の発育を促します。
    それと共に、年齢に応じて、お絵かき、タブレット端末でのゲーム等をしていただき、眼に半ば強制的に刺激を与え、視力の向上をはかります。
    残念ながら、手術で眼位の矯正が必要な患者さんにつきましては近隣の専門病院にご紹介させていただきます。
  • B)不同視弱視の場合
    検査で得られたデータの眼鏡を作成いただき入浴時、睡眠時、プールに入っているとき以外できるだけ装用いただき、外からの刺激を網膜に与え、視力の発育を促します。
    それと共に、年齢に応じて、健常の眼を一定時間隠し(アイパッチ)視力の弱い眼のみでお絵かき、タブレット端末でのゲーム等をしていただき、視力の弱い眼に半ば強制的に刺激を与え、視力の向上をはかります。
  • C)屈折異常弱視の場合
    検査で得られたデータの眼鏡を作成いただき入浴時、睡眠時、プールに入っているとき以外できるだけ装用いただき、外からの刺激を網膜に与え、視力の発育を促します。
  • D)形態覚遮断弱視の場合
    残念ながら、この場合には、既に非可逆的な視力が低下していますので、治療による視力向上は困難です。何よりも、この弱視にならないように、早期の原因除去と不必要な眼帯使用をしないことが必要です。先天性の眼瞼下垂については、全くまぶたが上がらない場合は別として、赤ちゃんが何とか努力 して見ようとしていて、斜視、視神経・黄斑部の形成異常がなければ、視力は発達しうるので斜視、視神経・黄斑部の形成異常の有無を確認いたします。
    好ましい手術時期は、3~4才頃と考えられています。
    それ以前に手術をすると下垂が再発することがあるとされています。

Ⅱ.斜視

斜視とは、両目の視線が、見ようとする目標物を交わるように向かわず、一眼の視線が目標物以外の方向を向いている状態です。
  • 1.種類
  • A)内斜視
    • ⅰ)先天内斜視と後天内斜視
      発症時期が6ヶ月以内か、6ヶ月経過後かによって乳児内斜視(先天内斜視)と後天内斜視に分かれます。
      従って受診時には、いつから斜視なのかがわかるように、生まれてから6ヶ月前後までの眼の位置がわかる正面からとった写真をお持ちいただく必要があります。
    • ⅱ)調節性内斜視
      強い遠視があると近くのものを見るためには大きなピント合わせが必要です。
      手元にピントを合わせる時、眼は寄り眼になります(輻湊といいます)。
      その時、眼が内側によるのが、調節性内斜視です。
      • 1)屈折性調節性内斜視:眼鏡の装用で眼の位置がまっすぐ(正位)になるものです。
      • 2)部分調節性内斜視:眼鏡の装用でも遠くを見たとき眼の位置がまっすぐ(正位)にならないものです。
      • 3)高AC/A比を示す調節性内斜視:目立った遠視が無いにもかかわらず手元にピントを合わせる時、必要以上に眼が内側による状態です。
    • ⅲ)続発内斜視 先天的な白内障などのご病気が原因でなった内斜視です。
  • B)外斜視
    • ⅰ)恒常性外斜視:常に片方の眼が外側を向いている斜視です。
    • ⅱ)間欠性外斜視:眼の位置がまっすぐ(正位)になることもあるものの、眠いときやボーとした時に片方の眼が外側を向いている斜視です。
    • ⅲ)続発外斜視 先天的な白内障などのご病気が原因でなった外斜視
  • C)上下斜視
    片目は真直ぐに向いている時、他方の眼が上または下をむいている状態です
  • D)偽内斜視
    実は眼の位置はまっすぐ(正位)であるにもかかわらず、鼻側の皮膚が白目を隠しているために見かけ上、眼が内側に寄っているように見える状態です。
    内斜視との鑑別には、デジカメのストロボをONにして正面から眼の写真を撮り、黒目の真ん中にストロボの反射があるかを見ることが有用です。
    斜視の種類
  • E)その他眼球の動きの異常を伴う斜視
    この場合には、手術を必要とするケースが多いため、近隣の専門病院にご紹介させていただきます。
  • 2.治療
  • ・先天内斜視と後天内斜視:共に手術を要する場合があるため近隣の専門病院にご紹介させていただきます。
  • ・屈折性調節性内斜視:一週間ほど強力にピント合わせをする力を奪うお薬をつけていただいた上で、屈折度数を確認し、眼鏡処方をいたしております。一般には、眼鏡装用可能年齢は2歳半から3歳なので、それまでは経過を診させていただきます。
  • ・部分調節性内斜視:眼鏡では改善しない、残った内斜視に対して手術を要するため、近隣の専門病院にご紹介させていただきます。
  • ・高AC/A比を示す調節性内斜視:ピント合わせをする力を奪うお薬をつけていただいた上で、屈折度数を確認し、近用部分を大きくし、近用部遠用部の境を瞳孔中心に合わせた二重焦点の眼鏡処方をいたしております。
  • ・恒常性外斜視:手術を要するため、ご希望により近隣の専門病院にご紹介させていただきます。
  • ・間欠性外斜視:外斜視になる頻度が多く、一度眼が外斜すると元に戻りにくくなる場合には手術を要するため近隣の専門病院にご紹介させていただきます。それまでは、近視を放置することで外斜しやすくなる傾向があるため、眼鏡処方をして当院で経過を診させていただきます。
  • ・続発内斜視、続発外斜視:原因となる病気の治療を要するため、近隣の専門病院にご紹介させていただきます。

Ⅲ.逆さまつげ

  • 生まれつき睫毛が眼球に接触するために、目やに、充血などを生じるものです。
  • 1.先天眼瞼内反
    まぶたそのものが、眼球側に内反している状態です。皮膚が余ってしかも皮膚組織の接着が弱いために生じます。成長と共に自然に治ることが多いので様子を見て差し支えありませんが、2歳以上で2/3以上の内反が残っている場合には、手術をする必要があります。睫毛があたるため、どうしてもメヤニが溜まりやすくなりますが、黄色いメヤニガ出たり、充血が生じたときは、御受診されるといいでしょう。
  • 2.睫毛内反
    目頭にかけて、睫毛だけが眼球に向かって生えている状態です。先天眼瞼内反と同様に成長と共に自然に治ることが多いので様子を見て差し支えありませんが、2歳以上で自然治癒しない場合には、手術を検討してもいいでしょう。やはり睫毛があたるため、どうしてもメヤニが溜まりやすくなりますが、黄色いメヤニガ出たり、充血が生じたときは、御受診されるといいでしょう。

Ⅳ.先天性鼻涙管閉塞症

涙は、涙腺から分泌され、目頭にある涙点という穴から排出され涙道という細い排出路を通って鼻更にはノドに流れていきますが、鼻に流れる通路が生まれた後も閉塞している状態です。
生まれた直後から涙、メヤニが非常に多く逆さまつげが無いときはこちらの疾患の可能性があります。
まずは、状況を確認させていただき、必要により、涙の排出路が詰まっているかを検査します。
自然に開通する場合が多い(自然開通は、12ヶ月で51%、18ヶ月で78%、24ヶ月で87%ととの報告があります)のですが、鼻の付け根を目頭から下方に向け綿棒の先で圧迫しながらマッサージをしていただくことにしています。
涙道という細い排出路(特に涙嚢という袋)の圧を高めて詰まりを取り除くのです。
しばらく様子を見させていただいても開通ない場合には、点眼麻酔の上、詰まった部分を開通させる処置をいたします。
先天性鼻涙管閉塞症
先天性鼻涙管閉塞症

Ⅴ.非器質性視力障害(心因性視力障害)

学校検診などの時にそれまでよく見えていたお子さんの急な視力低下がわかることがあります。
たまたま、学校検診時にうまく答えられなかったという場合もありますが、学校のからの受診勧告で、視力測定をしてみると、どのように眼鏡で補正をしても見えないお子さんがいらっしゃいます。
もちろん、視力に影響を及ぼす疾患が隠れている場合もありますが、検査をしても何も見つからないことがあります。
視力障害に精神的なストレスが関与している場合を、非器質性視力障害(心因性視力障害)と呼びます。
発症年齢は、8~12歳位のお子さんが多く、男子より女子の割合が多いようです。
具体的な引き金としては、眼鏡をかけたい眼鏡願望、学校内での交友関係のトラブル、弟や妹の誕生(自分から親の感心が下の子に移ってしまう)、過剰な塾通いなどがあります。
当院では、視力検査で疑われるお子さんの保護者の方に、アンケートにお答えいただき原因を探ると共に、視力に影響を及ぼす疾患が隠れていないかを検査し何もない場合には、特別な検査を近隣の総合病院に依頼することがあります。更に、眼鏡願望が原因の場合には眼鏡処方をします。また、点眼処方で様子を見ることがあります。視力改善が長引く場合には、メンタル面をサポートして下さる診療科にご紹介させていただいております。
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